毎月の電気代、高すぎない?
先月の電気代の請求を見て愕然としました。2万8千円。
「え、何これ?」と思って明細を見ると、特に使いすぎた覚えもない。いつも通りの生活なのに。
調べてみると、燃料費高騰やら再エネ賦課金やらで、ここ数年で電気代は確実に上がっているんですよね。同じ使い方でも以前より高くなる構造になってる。
「じゃあ何をどうすれば安くなるの?」と本気で調べた結果をまとめます。
まず知っておくべき「電気代の仕組み」
節約する前に、そもそも電気代がどう決まるかを理解しておきましょう。
電気代 = 基本料金 + 電力量料金 ± 燃料費調整額 + 再エネ賦課金
①基本料金
契約アンペア数によって決まる固定費。使っても使わなくても毎月かかる。
| 契約アンペア | 基本料金(東京電力の場合) |
|---|---|
| 30A | 約935円/月 |
| 40A | 約1,247円/月 |
| 50A | 約1,559円/月 |
| 60A | 約1,870円/月 |
②電力量料金
実際に使った電気の量(kWh)に応じてかかる料金。使えば使うほど高くなる。しかも使用量が増えると単価も上がる段階制になっていることが多い。
③燃料費調整額
発電に使う燃料(石油・ガス・石炭など)の価格変動を反映する調整額。原油価格が上がると電気代も上がる仕組み。
④再エネ賦課金
再生可能エネルギーの普及のために全員が負担する費用。2025年は約3.5円/kWh程度。
電気代が高くなる5つの原因
「なぜうちは電気代が高いのか?」まず原因を把握しましょう。
- 古い家電を使っている:10年前の冷蔵庫は今の1.5倍電気を食う
- 契約アンペアが大きすぎる:使わないのに高い基本料金を払っている
- 待機電力を放置:使っていない家電がジワジワ電気を消費
- エアコンの使い方が非効率:つけっぱなしvs小刻みON/OFFの判断ミス
- 電力会社・プランが合っていない:生活スタイルに合わない契約
【効果大】電気代を安くする5つの方法
ここからは具体的な節約方法を「効果が大きい順」に紹介します。
①電力会社・プランを見直す(年間3〜4万円節約も可能)
最も手軽で効果が大きいのがコレ。2016年の電力自由化以降、電力会社は自由に選べます。
でも「面倒くさそう」「よくわからない」で、約6割の人がそのままという調査結果も。これ、めちゃくちゃもったいない。
- 使用量が多い家庭ほど安くなるプランがある
- ポイント還元やセット割引がある
- 時間帯別プランで生活に合わせて節約できる
- 切り替え手続きはWebで完結(工事不要)
エネチェンジなどの比較サイトで調べると、3人世帯で年間約3.8万円の節約ができたという例も。
- まず今の電気代と使用量(kWh)を把握する
- 比較サイトでシミュレーションする
- 燃料費調整額の上限があるか確認する
- 解約金・違約金の有無を確認する
②契約アンペアを下げる(年間約3,700円節約)
「ブレーカーが落ちるのが嫌で大きめにしてる」という人、多いと思います。
でも実際に同時に使う電力を計算すると、1段階下げても大丈夫なケースがほとんど。
| 変更 | 年間節約額 |
|---|---|
| 60A → 50A | 約3,732円 |
| 50A → 40A | 約3,744円 |
| 40A → 30A | 約3,744円 |
- 電力会社に連絡すれば無料で変更可能(工事が必要な場合も)
- 下げすぎるとブレーカーが頻繁に落ちる
- IHクッキングヒーターやエアコン複数台同時使用がある家庭は要注意
- 一度下げると1年間は変更できない会社もある
③エアコンの使い方を最適化する(年間約5,400円節約)
家庭の電力消費の約30〜40%はエアコン。ここを攻めるのが効果的。
設定温度を見直す
夏は28℃、冬は20℃が目安。1℃変えるだけで電気代が約10%変わる。
フィルターを2週間に1回掃除
フィルターが詰まると効率ダウン。掃除するだけで約5〜10%の節電効果。
つけっぱなし vs こまめにON/OFF
30分程度の外出ならつけっぱなしの方が省エネ。起動時に一番電力を使うため。
扇風機・サーキュレーターと併用
空気を循環させることで体感温度が下がり、設定温度を上げても快適に。
室外機の周りを空ける
室外機の前に物を置くと効率ダウン。直射日光を避ける日よけも効果的。
④冷蔵庫の使い方を見直す(年間約5,180円節約)
冷蔵庫は24時間365日動き続けるので、小さな改善が大きな節約に。
設定温度を「中」にする
「強」のままにしていませんか?季節に合わせて「中」や「弱」に。年間約1,670円節約。
詰め込みすぎない
冷気の循環が悪くなり、余計に電力を消費。容量の7割程度が理想。年間約1,360円節約。
熱いものは冷ましてから入れる
庫内の温度が上がると、冷やすために余計な電力を使う。年間約400円節約。
壁から離して設置する
放熱スペースがないと効率ダウン。左右は2cm以上、上部は5cm以上空ける。
開閉回数を減らす・開ける時間を短くする
何を取るか決めてから開ける。年間約320円節約。
⑤照明をLEDに変える(年間約2,685円節約)
まだ白熱電球を使っている場所があれば、今すぐLEDに交換。
| 電球の種類 | 消費電力 | 寿命 |
|---|---|---|
| 白熱電球 | 約54W | 約1,000時間 |
| 電球型蛍光灯 | 約12W | 約6,000時間 |
| LED電球 | 約7W | 約40,000時間 |
LED電球は白熱電球の約1/8の消費電力で、寿命は約40倍。初期費用はかかるけど、2〜3年で元が取れます。
【地味だけど効く】日常でできる節電習慣
大きな節約策の次は、日々の積み重ねでできる節電。
待機電力をカットする(年間約6,000円節約)
使っていない家電でも、コンセントに挿しているだけで電気を消費しています。これが「待機電力」。
家庭の電気代の約5〜10%は待機電力と言われています。
- テレビ・レコーダーは主電源からOFF(またはスイッチ付き電源タップ使用)
- 使わない充電器はコンセントから抜く
- 長期不在時は冷蔵庫以外のコンセントを抜く
- パソコンはスリープではなくシャットダウン
テレビの節電(年間約1,476円節約)
- 見ていない時は消す(当たり前だけど意外とつけっぱなし)
- 画面の明るさを下げる(「明るさセンサー」をONに)
- 音量を適切に(大きいほど電力消費)
- 視聴時間を1日1時間減らすだけで年間約500円節約
洗濯機の節電(年間約3,000円節約)
- まとめ洗いで回数を減らす(容量の8割程度が最適)
- お風呂の残り湯を使う(洗い工程のみ)
- 乾燥機能は電気を大量消費→天日干しが◎
- 洗剤は適量(入れすぎるとすすぎ回数が増える)
炊飯器の節電(年間約1,211円節約)
- 保温は4時間以上なら炊き直した方が安い
- まとめて炊いて冷凍→レンジで解凍が最もお得
- 保温機能を使わず、食べる分だけ炊く
お風呂・給湯の節電
- シャワーは出しっぱなしにしない
- お風呂は間隔を空けずに入る(追い焚き回数を減らす)
- 給湯温度は必要最低限に設定
【買い替え検討】省エネ家電で長期的に節約
10年以上使っている家電は、買い替えるだけで電気代が大幅に下がる可能性があります。
冷蔵庫(10年前 → 最新モデル)
消費電力が約37〜43%削減。年間約5,500〜7,000円の節約。
エアコン(10年前 → 最新モデル)
消費電力が約17%削減。年間約5,000円以上の節約。
テレビ(10年前 → 最新モデル)
消費電力が約42%削減。年間約2,000円以上の節約。
- 「省エネラベル」の星の数をチェック(★★★★★が最高)
- 「年間消費電力量(kWh)」を比較する
- 年間電気代 = 年間消費電力量 × 電気料金単価(約31円/kWh)で計算
- 購入費用と節約額のバランスを考える
【断熱対策】冷暖房効率を上げる
エアコンの効きが悪い=電気代が高くなる。家の断熱性能を上げるのも効果的です。
すぐにできる断熱対策
- カーテンを厚手に変える:遮熱カーテンで夏は涼しく冬は暖かく
- 窓に断熱シートを貼る:100均でも売ってる。効果は侮れない
- すきま風を防ぐ:ドアの下などにすきまテープを貼る
- ラグやカーペットを敷く:床からの冷気を防ぐ
お金をかける断熱対策
- 内窓(二重窓)の設置:断熱効果抜群。補助金が出る場合も
- 遮熱フィルム:窓ガラスに貼るだけで夏の室温上昇を抑制
- 断熱リフォーム:壁や天井の断熱材を入れ替える(大規模だが効果大)
我が家でやった結果
実際に我が家で試した節約策と、その結果をまとめます。
| やったこと | 月の節約額 |
|---|---|
| 電力会社を乗り換え | 約2,500円 |
| 契約アンペアを50A→40Aに変更 | 約310円 |
| エアコンのフィルター掃除を習慣化 | 約300円 |
| 冷蔵庫の設定温度を「強」→「中」に | 約140円 |
| 待機電力カット(スイッチ付き電源タップ導入) | 約400円 |
| 照明をLEDに全交換 | 約200円 |
| 合計 | 約3,850円/月 |
年間で約4.6万円の節約になりました。生活の快適さは全く変わっていません。
まとめ:効果が大きい順にやるべきこと
電気代節約は「我慢」じゃなく「仕組み」で解決するのがコツ。
①電力会社・プランの見直し(年間3〜4万円)
→ 生活を変えずに最も効果が大きい。まずここから。
②契約アンペアの見直し(年間約3,700円)
→ 基本料金を下げる。ブレーカーが落ちない範囲で。
③エアコン・冷蔵庫の使い方改善(年間約1万円)
→ 電気を食う家電の効率を上げる。
④待機電力カット・日常の節電(年間数千円)
→ 地道だけど積み重ねると大きい。
⑤省エネ家電への買い替え(年間数千〜1万円)
→ 10年以上使っている家電は検討の価値あり。
電気代が高いと感じたら、まずは今の使用量と契約内容を確認することから始めてみてください。「見える化」するだけで、どこを改善すべきかが見えてきます。